朝晩の冷え込みが一段と厳しくなり、冬の訪れを感じる季節となりました。
今年はマイコプラズマ肺炎が例年以上に流行しており、インフルエンザの大流行の陰で、マイコプラズマに感染したお子さんが当院を受診されるケースも一定数見受けられます。「インフルエンザは検査したけど違った、でも熱が続く。鼻水はないor少ないけど咳が特に多い…」そんな症状がある場合は気に留めてみてください。
■マイコプラズマ肺炎とは?
マイコプラズマ肺炎とはマイコプラズマという細菌に感染することで起きる肺炎です。感染しても全員が肺炎になるわけではなく、軽症で自然に治ることもあります。一方、頑固な発熱や咳の原因となることがあり、無治療では熱が1週間を超えることも珍しくありません。咳や痰のしぶきを吸い込むことによりうつる、飛沫感染が主であり、潜伏期が2~3週間程度と長いです。そのため家族内で一人だけ体調が悪い、ということが多いです。
■子どもがかかりやすいの?
大人も子どもも罹患します。主に、小学生以上の学童に多い病気で3歳未満の幼児では少ないとされています。
■どんな症状が出るの?
感染してから症状が出るまで2〜3週間と長い潜伏期間があります。
最初は発熱や頭痛、咽頭痛、だるさから始まり、その数日後に「コンコン」という乾いた咳が出始めます。次第に咳が激しくなり、痰が絡んだり、夜も眠れないほど咳き込んだりすることがあります。一部のお子さんは肺炎となり、重症化することもあり、注意が必要です。咳の多さの割に鼻水は目立たず、あっても鼻詰まりくらいのことが多いです。呼吸器感染症なのですが、下痢や吐き気・嘔吐を伴うこともよくあります。
■治療について
治療に抗菌薬(抗生物質)を使用します。お薬が効けば数日で熱は下がりますが、最近は従来のお薬が効きにくいタイプ(耐性菌)もありますので、内服治療開始後も慎重に経過を見る必要があります。
軽症で自然軽快することもありますが、無治療の場合、熱や咳が遷延するケースが多いため、診断がついた場合は治療することがほとんどです。
■お家でできる予防法
主な感染経路は、咳やくしゃみによる「飛沫感染」と、タオルやドアノブなどを介した「接触感染」です。可能であれば罹患した本人にマスクをつけてもらいましょう。しかし呼吸が苦しい場合や吐き気がある場合はつけないでください。
■登園・登校の目安は?
明確な出席停止期間の決まりはありません。
「発熱がなくなり、激しい咳が治まって体調が良くなれば」登園・登校が可能です。食欲が回復していることも重要です。睡眠食事がしっかり摂れるようになっていることを確認してください。
以上です。参考にしていただければと思います。
院長 籔内 俊彦
小児科専門医、アレルギー専門医
岡山大学医学部医学科 卒業
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 博士課程修了(医学博士)

