やぶうち小児科では、スギ花粉やダニを原因とするアレルギー性鼻炎に対して、症状を抑える薬物療法に加え、根本的な体質改善を目指す舌下免疫療法も選択肢に入れて治療にあたっています。
かぜをひいて鼻水がでる、これは感染性鼻炎です。一方で、アレルギー性鼻炎とは名前のとおりアレルギーによって引き起こされる鼻炎です。花粉症が代表的な季節性アレルギー性鼻炎と、一年を通して起きる通年性アレルギー性鼻炎の2つに分けられます。
<季節性アレルギー性鼻炎>
花粉など特定の季節に浮遊するアレルゲンによって引き起こされます。春に多く飛散するスギ花粉が有名であり、その他にも夏のイネ科、秋のブタクサ、ヨモギなどがアレルゲンとなります。
<通年性アレルギー性鼻炎>
季節に関係なく存在するアレルゲンによって引き起こされます。代表的なアレルゲンとしては、ダニ、動物のふけ、カビなどが挙げられます。
くしゃみ、水っぽい鼻水、鼻詰まりが3大症状です。かゆみも伴うため、鼻をよくこすっていることも特徴の一つです。
かぜとアレルギーでは、最初の数日は症状が似通っており区別が難しいです。しかし、1週間が経つころにはかぜは黄色くねばねばした鼻水に変わってくることが多いです。アレルギーでは変化に乏しく、また、目やにはない目の充血・かゆみ(アレルギー性結膜炎)を伴って見られることもあります。
アレルギーとは、身体が本来異物として認識していないものに対して過剰に反応してしまうことです。体の中に侵入した花粉やダニなどが異物と認識され、抗体が作られ、その結果起きる炎症が症状を引き起こします。
<季節性アレルギー性鼻炎>
スギ、ヒノキ、ハンノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ など
<通年性アレルギー性鼻炎>
ダニ、ペットのふけ、カビ など
アレルギー性鼻炎が疑われるからといって、すぐに血液検査をするわけではありません。まずは症状の経過をしっかり観察することを大切にしています。
かぜであれば、1週間ほど経つと鼻水が黄色くねばねばした性状に変わってくることがしばしばです。一方、1週間以上経っても水っぽい鼻水・くしゃみ・鼻詰まりが続き、症状の性状がほとんど変わらない場合、アレルギー性結膜炎を疑う症状もある、などといった場合には、アレルギー性鼻炎を疑って対応していきます。
なお、舌下免疫療法を検討される場合は、どのアレルゲンに反応しているかを正確に把握するために血液検査が必要です。「根本から体質を改善したい」とお考えの方は、まず診察時にご相談ください。
子どものアレルギー性鼻炎の治療として、「アレルゲンを減らす」「症状を抑える薬」「アレルゲンに体を慣らす薬」の3つが挙げられます。
「アレルゲンを減らす」
花粉やダニなどのアレルゲンを減らす工夫を生活の中で行うことです。(後述)
「症状を抑える薬」
症状を抑え、生活しやすいようにコントロールする薬を使用します。飲み薬(シロップ、粉、錠剤)や点鼻薬があり、好みや症状に合わせて選択します。症状がいよいよひどくなってから薬を使い始めるよりも、早くから薬を使っている方が、同じお薬であっても効果が高いとされています。
「アレルゲンに体を慣らす薬」
免疫療法と呼ばれるもので、根本的に体質を改善させる、現状で唯一の治療法です。アレルゲンを含んだ専用のお薬を使って体を慣らしていきます。舌下免疫療法と皮下免疫療法がありますが、当院では舌下免疫療法を行っております。これは、専用のお薬を舌の裏側に1分間置いて体に摂取させる治療法です。スギ花粉とダニアレルギーの2種類に対する治療が可能で、5歳前後から治療が可能となります。1日1回、毎日続ける必要があり、治療期間は3~5年が推奨されています。
アレルゲンを減らすことで症状の軽減が期待できます。
<ダニアレルギー>
ダニの死骸がアレルゲンですので、掃除機で吸い上げるか、洗濯して洗い流すことで減らせます。(布団たたきや殺ダニ剤は推奨しません。)
①ダニが繁殖しやすい環境(温度25度以上、湿度60%以上)を避ける。
②ダニが繁殖しやすいじゅうたんや布製ソファなどの使用は避ける。
③掃除機は20秒/m2の時間をかけて行うことが望ましい。特に寝具は重要であり、週1回以上行う。シーツ・カバーはこまめに交換洗濯することが望ましい。
④室内ペットの飼育はペットアレルゲンの新規感作やダニアレルゲンの増加をもたらすため避ける。
<花粉症>
①外出時に帽子、マスク、メガネを使う。(普通のメガネでも一定量の花粉をカットできます)
②表面が毛羽立った毛織物などの衣服の使用を避ける。
③帰宅時に、衣服や髪をよく払ってから入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
④飛散の多い時は窓や戸を閉めておく。換気時は窓を小さく開け、短時間にとどめる。飛散の多い時はふとんや洗濯物の外干しを避ける。
舌下免疫療法は体質改善を狙った積極的な治療といえます。アレルギー性鼻炎の軽症〜重症の方に広く推奨されています。くしゃみ・水っぽい鼻水・鼻づまりが続いている場合や、花粉の季節に症状が悪化するお子さまはぜひご相談ください。
院長 籔内 俊彦
小児科専門医、アレルギー専門医
岡山大学医学部医学科 卒業
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 博士課程修了(医学博士)
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